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【セミナーレポート】「電子帳簿保存法改正」~ポイントと今すべき対策は?

2022.05.23
コラム
【セミナーレポート】「電子帳簿保存法改正」~ポイントと今すべき対策は?

2022年5月20日、浅間商事では「電子帳簿保存法(電帳法)改正」に関するオンラインセミナーを開催いたしました。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社・羽根田 瑞樹 氏、株式会社NIコンサルティング・橋本 拓 氏にご登壇いただき、電帳法改正の概要やポイントの解説に続き、法対応だけでなく業務改善も実現できるグループウエア「NI Collabo 360」+「電帳法ストレージオプション」のご案内をいたしました。特に、経費精算の電子化と、紙文書の内容を自動で電子化するAI OCR機能に反響がありました。

本セミナーは、お客さまおよびメルマガ読者さま限定で開催いたしました。多くの方にご参加いただき、皆さま関心の高さを感じるテーマとなりました。本記事ではその内容をお伝えします。

セミナー概要

  • 開催:2022年5月20日(金)15:00~16:00
  • タイトル:「電子帳簿保存法改正」~ポイントと今すべき対策は?
  • 登壇:キヤノンマーケティングジャパン株式会社・羽根田 瑞樹 氏、株式会社NIコンサルティング・橋本 拓 氏
  • 司会進行:浅間商事株式会社・代表取締役社長・柳沢 太一
  • 会場:Microsoft Teamsによるオンライン開催
左:株式会社NIコンサルティング・橋本 拓 氏、右:キヤノンマーケティングジャパン株式会社・羽根田 瑞樹 氏
左:株式会社NIコンサルティング・橋本 拓 氏、右:キヤノンマーケティングジャパン株式会社・羽根田 瑞樹 氏

2022年1月に改正等が行われた「電子帳簿保存法」。「電子取引は電子による保存」が義務化されたという点で、規模にかかわらず多くの企業・個人事業主の皆さまの対応が必要になりました。

浅間商事では『「電子帳簿保存法改正」~ポイントと今すべき対策は?』と題し、本改正のポイントや対策などをお伝えするセミナーを開催しました。

なお、本セミナーの内容は開催日時点の情報に基づきます。また、法律に関して解釈を一部交えたものとなっております。予めご了承ください。法令解釈に関する最新情報は、国税庁ホームページをご参照ください。

電帳法とは? 電帳法改正のポイントってなに? 何をしたらいいの?

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
羽根田 瑞樹 氏

本パートでは、電帳法改正の概要やポイントを解説いたします。

そもそも「電子帳簿保存法」とは?

国税関連の書類は、法で規定された一定期間、保存が必要です。たとえば契約書や請求書など、紙で受領したものはそのまま紙で、電子のものは印刷して紙にし、ファイリングされてきたと思います。

この「電子帳簿保存法」は、要件を満たせば、紙ではなく「電子保存」してよいという法律です。

紙保存には次のような課題がありました。

  • コスト(印刷、保存、仕分けの手作業など)
  • セキュリティ(情報漏えい、改ざん、紛失、災害など)

テレワークができない、といった課題もありました。

データ化は進んできているものの、紙での受領も多く、このままではDXも進まない……ということが本改正の背景の一つにあります。

改正のポイント(例:タイムスタンプ利用の選択)

本法律は、改正のたびに緩和される傾向がありました。これは「ペーパーレスが進みやすいようにされてきた」、ということでもあります。

今年1月の改正でも、緩和となるようないくつかのポイントがありました。

承認制度廃止、スキャナ保存要件を緩和、タイムスタンプ※利用の選択などです。(※タイムスタンプ:ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術。)

  • 税務署の承認の手間 → 申請不要に
  • スキャナ保存の要件 → 相互牽制・定期検査まで紙保存のルール廃止
  • タイムスタンプ付与 → 条件付きの緩和

この中でも、タイムスタンプは1件あたりでコストがかかるなど、手間だけでなく運用コストもそれなりに高くなるために、導入に踏み切れないお客さまもいらっしゃいました。

ただ、タイムスタンプを使わない場合、ストレージに要件がつきます。

ストレージ要件:タイムスタンプを使わない場合、電子データを保存するストレージに求められる要件

  1. 訂正削除の記録が残る/訂正削除ができない
  2. 検索性(取引先、取引年月日、金額、の範囲指定で検索ができる)
  3. 事務処理規定への記載

下記より一部抜粋

改正の最大のポイント(義務化)

そして、要件が緩和された一方で、義務化された点があります。

「電子取引データは紙保存がNG」になりました。

そのため、多くの会社さまで法改正への対応が必要になったのが、本改正の最大のポイントと考えております。

※2年間の宥恕(ゆうじょ)措置あり

電子取引ってなに?

この電子取引とは何でしょうか? 自社は電子取引をしていない、と思われるお客さまもいらっしゃるかもしれません。

電子取引に該当する例

  • 電子メール:PDFの添付、内容によってはメール本文も対象
  • クラウドサービス:領収書、請求書などが紙で出ないサービス
  • 複合機のペーパーレスFAX:NASやサーバーにPDFを直接保存するケース(紙を出力していない) など

業務の中で、上記のようなご利用が1つでもあれば電子取引に該当します。

そのため、これまでの電子データを紙に印刷して保存する対応は認められず、電帳法対応として要件を満たしたストレージへの保存が必要になります。

システム導入は必要なのか

電子取引がある場合、要件を満たしたストレージへの電子保存が必須となりました。対応にシステム導入まで必要か? と疑問に思うお客さまもいらっしゃるかもしれません。

ストレージ要件の3つ目に「事務処理規定への記載」があります。

事務処理規定とは、自社の電子保存における保存や管理のルールです。(国税庁ホームページにサンプルがあります※)。このルールを定め、運用することで、要件1-2の訂正削除、検索性の要件も満たせます。

ですので、システム導入が必須というわけではありません。

システムを導入しない運用例

  • パターン①:ファイル名で検索要件を満たす。(例:20221130_(株)浅間商事_20,000.pdf)
  • パターン②:帳票には連番を付与。別途、索引簿を作成。

ただ、システムを導入しないことの問題点もあります。

システムを導入しない問題点

  • 手間がかかる、入力ミス、誤った削除、データやサーバーの破損のリスク
  • 今以上に事務的な負担が増える

以上の点から、最低限でも「運用にはシステム導入」の検討をおすすめしております。

法令等>その他法令解釈に関する情報>電子帳簿保存法関係>参考資料(各種規程等のサンプル)(国税庁)

目的を「法対応」ではなく、「業務改善」に

2年間の猶予期間がありますが、2年は決して長い期間ではありません。また、法改正は今年1月に施行されているため、すでに残り約1年半です。

そこで、「法対応」のためのIT投資ではなく、「法改正をいかして、業務改善を行う」ことをおすすめしております。

法改正を活かした業務改善を!
法改正を活かした業務改善を!

大幅緩和される法改正を活用することで、文書/業務の電子化といった「業務改善」を進め、結果的に「法対応」することができます。

何から始めてよいかわからない場合は、まずやりやすいところ(できそうなところ)から始めましょう。

対象となる文書や業務範囲が広いため、まず、「発生量が多い文書や業務」を対象に考えることをおすすめします。

また、「紙をすべて電子化して保存する」という視点ではなく、「関連した業務ごと電子化する」ことにより、業務改善を図りましょう。

例)「取引関係書類/電子取引情報」と「関連業務」

  • 領収書 → 経費精算業務
  • 請求書 → 支払管理業務(受領請求書の管理)
  • 請求書控 → 請求業務(電子請求書の配信) など

業務改善し、法改正にも対応できるシステム

私たちは、今回の法改正をチャンスととらえていただき、ただ法対応のための事務作業を増やすのではなく、業務改善まで提案させていただきたいと考えております。

NIコンサルティング橋本さまによる、それを実現するシステムのご紹介に続きます。

「NI Collabo 360」+「電帳法ストレージオプション」のご紹介

株式会社NIコンサルティング
橋本 拓 氏

本パートでは、法対応だけでなく業務改善も実現できるグループウエア「NI Collabo 360(エヌアイコラボ スリーシックスティ)」+「電帳法ストレージオプション」をご案内します。

Step1:網羅的な書類のデータ保存(「電帳法ストレージオプション」のご紹介)

さまざまな書類がありますが、まずは「網羅的な書類のデータ保存」をしていきましょう。

【一般的なシステムの場合】

  • 法対応のための保存作業が必要
  • 経理担当の方に業務負荷が集中する可能性が高い

該当の書類は経理担当の方へ集まり、保管するたびに記録などの作業が必要になります。

電子帳簿保存法への対応 一般的なシステム導入
電子帳簿保存法への対応 一般的なシステム導入

【NI製品導入後は】

  • 紙で受領したものも、電子で受領したものも、保管できる
  • さらに、AI OCR変換により、3つの検索要件にそった登録をサポート

(デモンストレーション)

  • 「NI Collabo 360」画面
  • 「電帳法ストレージ」パーツからPDFをアップロード
  • (解析)
  • ファイル(注文書)から「取引先名」「日付」「金額」を自動転記
  • 法対応した保存が完了

注文書などフォーマットが異なる場合も、AIに学習させることで柔軟に対応可能です。また、検索、訂正削除ができない、もしくは記録ができる仕組みになっております。

デモ画面:PDFのアップロード(20件まで一括アップ可能)
デモ画面:PDFのアップロード(20件まで一括アップ可能)
デモ画面:アップロードしたファイルから「取引先名」「発行日」「金額」を自動転記
デモ画面:アップロードしたファイルから「取引先名」「発行日」「金額」を自動転記

【FAX連携】

最近の複合機は注文書等のFAXが届いた際、特定のメールアドレスに自動転送する機能があります。その機能を利用し、そのメールをストレージへ保管できます。さらに、電帳法ストレージへの転記もできます。

  • FAXから通知を受信
  • 書類の内容を確認(プレビュー表示)
  • 電帳法対応専用ストレージへ保管

これらをシームレスに実現します。

キヤノン製複合機の場合は、「MEAPクラウドスキャン for NI Collabo」アプリの利用で実現します。

(デモンストレーション)

紙で受領したものをスキャンしてパソコンに転送し、システムにアップロードして……といった手順が省けます。

Step2:業務ごとに電子化することによる業務改善

できるところから電帳法対応ができたら、次は「業務改善」をしていきましょう。

改善効果が出やすい、書類発行や、受領の前後の業務量が多いところの電子化から始めることをご提案します。本日は時間の都合もあり、領収書、請求書に絞ってご案内します。

【「NI Collabo 360」(エヌアイコラボ スリーシックスティ)とは?】

先ほどご紹介した「電帳法ストレージオプション」は、グループウエア「NI Collabo 360」のオプションです。

「NI Collabo 360」

  • 一人月額360円(税込)
  • 情報共有機能(スケジュール、メール、回覧板、設備予約など)
  • 業務改善機能(ワークフロー、経費精算、テレワーク、安否確認など)

「NI Collabo 360」なら「保存と業務改善を同時に実現」します。

  • 受領した領収書 → 経費精算
  • 受領した請求書 → 支払管理

【改善例】経費精算(領収書)

【改善例】経費精算(領収書)
【改善例】経費精算(領収書)
  • Before:受領→印刷・提出→承認→振込作業→仕訳作業→保管
  • After:受領→申請・承認

「NI Collabo 360」なら……

  • 印刷・提出・承認 → スマホでICカード読み取り、領収書OCR(スマホで撮影)など※
  • 振込作業・仕訳作業 → 自動的に振込データや仕訳データに
  • 保管 → 電帳法に対応した保管に

※パソコンでもスマートフォンからでも可能。外出先からも行えます。

本日のポイント

NI製品導入後 業務改善イメージ
NI製品導入後 業務改善イメージ

NI製品導入後

  • 「電帳法対応」したら、いつのまにか「業務改善」できていた……ということが実現できる
  • 業務を誰かに偏らせて対応するのではなく、業務を分散させることによって業務改善を実現
  • これらを低価格で

法対応のためにシステムを入れないといけないのであれば、ここまで実現していただきたいと考えております。

当社も、そのようなお手伝いをさせていただきたく思います。

最後に

【セミナーレポート】「電子帳簿保存法改正」~ポイントと今すべき対策は?

電帳法改正の概要やポイントの解説に続き、法対応だけでなく業務改善も実現できるグループウエア「NI Collabo 360」+「電帳法ストレージオプション」のご案内をいたしました。

本セミナーの内容について、個別にご質問・ご相談ございましたら、お気軽に浅間商事までご連絡ください。訪問によるご相談や、デモなど承っております。

(当ホームページの情報は執筆時点、もしくは更新日時点の情報に基づいております。掲載後の状況により、内容の変更が生じた際、予告なしに変更・更新する場合があります。)
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