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中小企業の皆さまから「会議を改善したい」というご相談をよくいただきます。
「なんとなく続いている会議が多い」、「とにかく長い」、「何も決まらない」……など、皆さん多くの課題を感じているようです。
浅間商事ではさまざまな改革を行い、10年近く毎月「8時間」やっていたマネージャー会議を、質も高めたうえで毎月「1.5時間以下」に短縮しました。
今回は浅間商事の会議ノウハウ「ASAMA流会議術のポイント5つ」を共有させていただきます。当社が実際に使っているアジェンダや報告資料のフォーマットを無料公開しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
なお、会議には社内会議と社外会議がありますが、会議術には共通点が多いため、今回は一緒に扱います。
ASAMA流会議術のポイント5つ
- アジェンダと議事録をつくる
- 会議でしかできないことだけをやる
- 共通言語を使う
- 同じデータを見る
- 報告資料のフォーマットを決める
アジェンダと議事録をつくる
会議前にアジェンダ(議題・参加者・スケジュール・TODOなどの一覧)を作成し、参加者と共有しましょう。そして会議後に、アジェンダに追記する形で議事録を作り共有しましょう。
アジェンダ作成には、WordやOneNoteがおすすめです。共有が簡単なだけでなく、SharePoint/OneDriveに保存すれば自動保存ができるため、保存し忘れることがなかったり、誤って削除してしまった際などに復元できます。
このプロセスで次のようなことが明確になり、会議の運営がスムーズになります。
- 事前にどんな準備が必要なのか
- 今「何の議題」について話しているのか
- 時間通り進んでいるか
- 何が決まったのか
- 次の会議までのTODOはなにか
会議でしかできないことだけをやる
その会議の目的は何でしょうか?
会議の主な目的は情報共有、議論・意見交換、意思決定です。
アジェンダを作っている段階で、目的がわからない「定例の」「いつもの」会議はやめて問題ないと浅間商事では考えております。そのような会議は一度やめてみて、問題があれば再開すればよいでしょう。目的が人間関係作りや親睦を深めることでしたら、会議ではなく懇親会開催がおすすめです。
また、情報共有が目的の会議も減らせます。会議の場でしか情報共有できない内容か、次の会議まで情報共有ができないと遅いのか、を確認してみましょう。
浅間商事では、多くの情報共有をリアルタイムや日次で共有しています。Teamsなどのビジネスチャットを使うことで、会議前に情報を共有し、会議が始まる前に議題の多くが片付いていることも多くなりました。
以上のように、目的が不明瞭な会議や、情報共有が目的の会議を減らしたことで、議論・意見交換、意思決定に使う会議時間を長く取れるようになり、短時間でも効果的な会議をできるようになりました。
共通言語を使う
短時間で効果的な情報共有や議論のためには、同じ言葉で話す必要があります。
たとえば浅間商事の場合、「複合機」のことを以前はエムエフピー、アドバンス、アイアールなど、人それぞれ別の呼び方をしていました。それを「社内では複合機と呼ぶ」と標準化しただけで、理解のスピードが上がりました。これは特に新入社員や中途採用のメンバーにとって、重要です。
また、資料の名前も標準化しています。「予算実績管理表」や「個人別粗利進捗表」など、全社員が共通の表現を使うことで、「あの資料に書いてあったアレ」とか「~さんの資料にあったアレ」など、あいまいな指摘や議論を減らしました。
共通資料はSharePointの社内ホームページに掲載し、いつでもだれでも見られるようにしています。
同じデータを見る
議論が白熱しているのに、実は見ているデータが違ったという経験はないでしょうか?
そもそもデータを見ずに、感覚だけで議論しているケースもあるかもしれません。そのような状態では何時間議論しても、最適解は導き出せません。
議論の際は、大型ディスプレイやホワイトボード、WEB会議の画面共有などを活用し、同じデータを見て行うことをおすすめします。
これにより、「人対人」の討論ではなく、「データに対して人と人とが協力して意見交換する」形になります。よりスムーズに議論が進むというメリットがあります。
報告資料のフォーマットを決める
会議の主催者が、報告資料のフォーマットを決めましょう。
議題だけ決めて報告資料のフォーマットを決めないと、資料の内容を理解するだけで時間がかかってしまいます。人により抜け漏れも出てきますし、不必要な情報を報告するのは、する方もされる方も時間が無駄になってしまいます。
あらかじめWordやExcelなどの、決めたフォーマットに入力してもらうとスムーズです。同時編集機能が使えれば資料を集めたり、数字を集計したりする手間もなくなります。
補足:WEB会議で会議コストを削減
以上が「ASAMA流会議術のポイント5つ」です。最後に、補足として浅間商事の会議コスト削減事例についてご紹介します。
会議には費用がかかります。「参加者の時給×参加人数×時間」です。
数万円のIT投資を惜しみながら、一方で会議に毎月数万円以上かかっているということはないでしょうか。また、参加するための移動時間も会議にかかる時間、コストです。
浅間商事では現在、ほぼすべての会議が原則WEB会議です。
WEB会議導入前は、本社(上野)で会議があると、宇都宮や所沢のメンバーは移動でほぼ一日何もできなくなっていました。しかし、原則WEB会議に移行後は、会議が終われば終了後すぐにお客さま先に行けるようになりました。
WEB会議の導入により、会議時間の削減に加え、会議前後の工数・コストの削減も実現しました。
まとめ(付録:資料ダウンロード)
浅間商事ではさまざまな改革を行い、10年近く毎月「8時間」やっていたマネージャー会議を、質も高めたうえで毎月「1.5時間以下」に短縮しました。
「ASAMA流会議術のポイント5つ」
- アジェンダと議事録をつくる
- 会議でしかできないことだけをやる
- 共通言語を使う
- 同じデータを見る
- 報告資料のフォーマットを決める
また、WEB会議の導入により、会議コストを削減した自社事例もご紹介しました。
最後に、浅間商事が利用しているツールのご紹介と、本記事でご紹介した浅間商事マネージャー会議の資料をご紹介します。資料は無料でダウンロードできますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
活用ツール(Microsoft 365)
- Word/OneNote(アジェンダ)
- Excel(各チームの報告)…SharePoint上で共同編集・保存
- Teams(WEB会議)…場合によっては録画・保存・共有
- OneNote(議事録)…議事録の共有・アーカイブ
手順
- 会議前:アジェンダの作成・共有(Word/OneNote)、各チームの報告(Excel入力)
- 会議:WEB会議(Teams)
- 会議後:議事録の作成・共有・アーカイブ(OneNote)
ダウンロード資料(PDF)
※実データはExcelです。SharePoint上でExcelを共同編集することで、複数チームの会議用報告資料をExcelの1シートにまとめています。