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浅間商事では中小企業のお客さまに、多方面のクラウド化をご提案しています。
WordやExcelなどの業務アプリ、データ運用、メール・チャットといったコミュニケーション、基幹系ツールやセキュリティの管理など、クラウドは、私たちの業務のさまざまな場面に浸透してきました。
今回は、「ビジネスフォンのクラウド化」である、「クラウドPBX」の自社事例をご紹介します。実際に使用している部署のメンバーに取材し、メリット・デメリットなど、率直な使用感をお伝えいたします。
クラウドPBXとは
「クラウドPBX」を説明する前に、「PBX」について解説いたします。
多くのオフィスでは、複数の電話回線を、複数の電話で発着信する、内線で社内の電話同士をつなぐ、といった使い方が一般的です。
この仕組みを実現させているのが「PBX(構内交換機)」、もしくは「主装置」と呼ばれる機器と、それに対応したビジネスフォンと呼ばれる電話機です。
PBXと主装置では、接続できる回線や電話の台数が異なり、PBXは主に大企業向け、主装置は中小企業向けです。
以下、主装置と表記します。
主装置は社内に設置する機器ですが、この主装置の機能をクラウド化したのが「クラウドPBX」です。
クラウドPBXの主な特徴
- 社内に主装置の工事・設置が不要。
- 電話回線ではなくインターネット回線を利用。
- パソコンやスマートフォンでもアプリを使って通話が可能。
詳しくは、下記の解説記事もあわせてご覧ください。
導入編
浅間商事は2021年、一部の部署にクラウドPBXを導入しています。
導入背景
クラウドPBX導入のきっかけの一つは、テレワークの定着でした。
2020年4月に全社テレワークを開始し、一部の固定番号は担当者が在宅勤務時、スマートフォンに転送していました。
しかし、スマートフォン1台では、通話中にかかってきた2本目以降の電話は取れません。
結果、話中のため接続できない電話が増えてしまうという課題が発生しました。(話中件数ほぼ0本→月30本以上にまで増加)。
導入時に感じたメリット
- 主装置の購入と工事が不要。
- 回線数や接続する電話の台数を気にせず自由に増減できる※。
(※主装置は、機器ごとに回線数や接続可能な電話台数の上限があります。それを超えた場合、新たな主装置の購入が必要になります。)。
導入にあたり、新たな主装置の購入・工事が不要でした。対応電話機(IP電話)の購入、ヘッドセット(両手が空き、入力しながら話せるので便利)などは新規に購入しましたが、初期費用は比較的安価で済みました。
また、今後、接続する回線数や電話機の台数が増えても、柔軟に対応できます。従来のビジネスフォンのような工事は不要で、設定済みの電話機とインターネット回線があれば、すぐに増設ができますし、減らすことも簡単です。
運用編
クラウドPBX導入後、運用フェーズで浅間商事の担当者が感じたメリット、デメリットをご紹介します。
メリット
- 出社/テレワーク問わず、固定電話の発着信が可能。
- 電話帳の登録・編集がパソコンから簡単にできる。
転送ではなく、主装置の機能をインターネット経由で利用することで、出社/テレワーク問わず、会社の番号を複数の電話機で受発信できるようになりました。コロナ禍で、在宅勤務時も会社と同じ環境で固定電話の受発信ができるようになったのは、大きなメリットです。
電話帳は、パソコンを使って管理画面から登録・編集できます。電話機での登録作業より格段に速くなりました。
デメリット
- 音質は、従来の電話よりやや劣る印象。
- スマートフォンやパソコンでは通話しづらい。
- システムトラブルによる一時的な不通があった。
音質は、従来の電話よりやや劣る印象です。
また、スマートフォンやパソコンでも利用できますが、操作性が端末のスペックに左右されるだけでなく、操作しづらいケースもあります。通話を重視する業務の場合は、電話機の利用がおすすめです。
最後に、利用を開始してから約1年半の間に、一度だけシステムトラブルによる不通がありました。30分ほどで復旧しましたが、お客さまに別の番号におかけなおしいただいたことがありました。
なお、インターネットが不通になると電話も不通になります。ただ、スマートフォンをご利用であれば、スマートフォンアプリと4Gの環境で代用が可能です。
導入効果編
浅間商事で実際に感じた導入効果をまとめました。
- 話中でお待たせすることがなくなった。
- パソコン管理が便利で、電話帳管理などが効率的になった。
- 通話録音・再生や集計も簡単に。
- 柔軟な電話体制が可能になった。
話中でお待たせすることがなくなった。
クラウドPBX導入後は、会社の電話でも在宅勤務時の電話でも、複数の電話を複数の電話機で同時に受けられるようになりました。
現在、話中はほぼありません。結果、お客さまを話中でお待たせすることがなくなり、導入前の目的を達成できました。
パソコン管理が便利で、電話帳管理などが効率的になった。
さまざまな操作・管理がパソコンで行えるのがとても便利です。
特に活用しているのが電話帳管理です。クラウドPBX導入時、管理画面から電話帳データを一括インポートし、電話帳を作成。新規の追加や、電話番号が変わった場合は着信履歴から再登録するといった操作を、やはりパソコンの管理画面から簡単にできます。
従来の電話機の場合、この設定を業者に依頼したり、電話機のボタンを押しながら1件ずつ登録したりする必要がありましたが、この操作をすべてパソコンで完結できるため、電話帳管理は格段に楽になりました。
また、社名を正式名称ではなく、省略してお話しされる方もいらっしゃいますが、クラウドPBXでは受信と同時に着信先名が表示されるので、聞き直しが減りました。登録した情報は、管理画面を通じて社内共有もスムーズです。
さらに、迷惑電話を受信した際は、着信履歴からそのまま簡単に着信拒否の設定ができますので、迷惑電話で頭を悩ませる必要がなくなります。
当社では受付時間外にアナウンスを流していますが、この設定もパソコン操作でより柔軟に対応できるようになりました。着信の記録や集計の際も、パソコンでデータを操作できるのはメリットの一つです。
通話録音・再生や集計も簡単に。
通話録音・再生もスムーズになりました。以前は1台の電話機につき1台の録音機を設置していたため、受信した電話機でしか通話確認ができませんでした。
また、スマートフォンによるテレワークでは、スマートフォン本体での録音再生になるため、制限や操作性の問題がありました。
クラウドPBXでは管理画面から簡単に再生ができますし、他のメンバーの通話も確認できます。
録音に限らず、通話記録もWebで管理できるため、通話本数の集計なども簡単になっています。以前は紙に記録していましたが、現在は管理画面からExcelにエクスポートしています。
柔軟な電話体制が可能になった。
最後に、電話機の増減がとても簡単になりました。主装置のように技術者の工事・設定が不要なため、急に電話の台数が増えても、すぐに対応できるようになりました。
スマートフォンやパソコンとの組み合わせも便利です。もともと業務でスマートフォンを利用されているお客さまが、クラウドPBXを導入し、スマートフォンで固定電話の対応をしている事例もございます。
クラウドPBX導入検討企業の皆さまへ
浅間商事の担当者より、クラウドPBX導入を検討されている皆さまへのメッセージです。
- 工事不要でとてもスムーズな導入でした。今後の電話機の増設なども柔軟に対応できます。
- 在宅勤務だけでなく、地方事務所など拠点間の接続も簡単になりました。
- 音質は従来の電話に比べ劣るため、音質を重視する場合は試用をおすすめします。
- 毎日、頻繁に使う場合、IP電話機はよい機種がおすすめです。
従来のビジネスフォンに比べ、一番デメリットと感じる点は音質です。どうしても聞き取れなかった内容については、録音を活用しています。録音・再生も、管理画面から操作・管理しやすくなりました。
業務的に音質を重視するような会社や部署を除き、その他のメリットを考えれば、特に中小企業の皆さまにはおすすめしたい製品です。
また、浅間商事では現在、クラウドPBXをスマートフォンでは利用していません。アプリの利用料、操作性などが理由です。
そして、電話機を2機種利用しています。安価なものはディスプレイが小さく、使う方によっては少し操作が難しいかもしれません。このように、電話機(IP電話機、スマートフォン、パソコンなど)についても、業務内容や使用頻度などでご検討いただくと良いと思います。
まとめ
クラウドPBXは、ビジネスフォンのPBX/主装置をクラウド化したもので、電話回線ではなくインターネット回線でビジネスフォンを利用できるサービスです。
主に次のような特徴があります。
- 社内にPBX/主装置の工事・設置が不要。
- 電話回線ではなくインターネット回線を利用。
- パソコンやスマートフォンでもアプリを使って通話が可能。
浅間商事は2021年、一部の部署にクラウドPBXを導入しました。
テレワークの定着に伴い、会社の固定番号を転送で利用していたところ、転送先番号が1つのみのため、話中でお客さまをお待たせすることが増えてしまいました。そのため、社外でも会社の固定番号をスムーズに利用するためにクラウドPBXを導入しました。
利用している部署のメンバーは、次のようなメリットとデメリットを感じています。
メリット:
- 出社/テレワーク問わず、固定電話の発着信が可能。
- 電話帳の登録・編集がパソコンから簡単にできる。
デメリット:
- 音質は、従来の電話よりやや劣る印象。
- スマートフォンやパソコンでは通話しづらい。
- システムトラブルによる一時的な不通があった。
デメリットがありつつも、話中でお待たせすることがなくなり、導入前の目的を達成できました。また、パソコンで操作・管理できる範囲が広がり、その点でも大きな導入効果を感じています。
主な導入効果:
- 話中でお待たせすることがなくなった。
- パソコン管理が便利で、電話帳管理などが効率的になった。
- 通話録音・再生や集計も簡単に。
- 柔軟な電話体制が可能になった。
音質や操作性に課題を感じつつも、全体として導入メリットが大きかったと考えており、現在も継続して活用しています。
ご興味、ご関心のあるお客さまはぜひお気軽にお問い合わせください。
デモはもちろん、クラウドPBXは実際にお試しいただけます。ご相談いただきましたら、電話機とデモ用電話番号をご用意し、お客さまのオフィスに設置いたします。
1か月のお試し後に、導入されたお客さまもいらっしゃいます。操作や音質などにご不安がある方は、ぜひ一度お試しください。