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中小企業ができるASAMA流「デジタル活用による時短術」 ~課題別4選~

2022.12.07
コラム
中小企業ができるASAMA流「デジタル活用による時短術」 ~課題別4選~

浅間商事では2021年、自社の「働き方改革」を進めるための試みがいくつかありました。

そのうちの一つが「就業時間の短縮」です。

就業時間「9~18時(8時間)」を、「9~17時半(7時間半)」と、1日あたり30分短縮しました。月にすると約10時間。決して短い時間ではありません。

就業規則の変更から1年以上経ち、個人差はあるものの、就業時間短縮による会社全体の残業時間の大幅な増加は見られていません。

この背景の一つに、これまで社員一人ひとりが試行錯誤してきた、デジタル化、クラウド化、各種IT機器やサービスの活用による「時短術」が貢献していると考えております。

今回は、浅間商事の「デジタル活用による時短術」をご紹介します。

「時短術」に関する社内アンケート結果

本記事の執筆にあたり、社内で「時短術」に関するアンケートを実施しました(回答数:23件)。

質問:
Q1.「自分の業務」の時短につながった機器やサービス(必須・複数選択可)
Q2. 機器やサービスの使い方(必須・自由回答)
Q3. 残業を削減したいお客さまへのアドバイス(任意・自由回答)

時短につながった機器やサービス

「『自分の業務』の時短につながった機器やサービス」という選択式の質問(複数回答可)に対し、次のような結果が出ました。

時短につながった機器やサービス(複数選択可)
時短につながった機器やサービス(複数選択可)

1位:Teams(18件)
2位:スマートフォン(16件)
3位:OneDrive、Exchange Online(メール)(13件)

1位と3位にMicrosoft 365がランクインし、2位はスマートフォン※が選ばれました。

※浅間商事では2013年より、内勤社員も含め全社員にスマートフォン(iPhone)を貸与しています。

時短のためのキーワード

Q2は、Q1で選択した機器やサービスを、どのように「時短」に役立てているかについての質問です。集まった回答を次の3つのキーワードにまとめました。

  • デジタル化
  • クラウド
  • モバイル

これらのキーワードには、次のような時短につながるメリットが見られました。

  • デジタル化:業務で扱う情報をデジタル化することで、紙、ハンコ、対面、移動などの物理的なモノ・コトが減る。処理の正確性、検索性、保管のしやすさ、情報共有などの利便性も向上。
  • クラウド:デジタル化した情報を特定の端末ではなく、クラウド上で処理・管理することにより、その情報を扱うにあたり端末や場所に縛られなくなる。
  • モバイル:クラウド+携行できる端末の活用により、場所に縛られなくなる。

解決できる4つの課題

上記のキーワードおよび回答を元に、時短を実現するために解決できる課題を4つのテーマにまとめました。

  1. 情報共有&コミュニケーション
  2. ペーパーレス&ハンコレス
  3. 移動・対面レス&テレワーク
  4. データ保存・共有

ここからは、課題ごとに、浅間の自社事例やアンケートの回答コメントをまじえながら具体的な「時短術」をご紹介してまいります。

課題1:情報共有&コミュニケーション

コミュニケーション(イメージ)

課題

社内の連絡や情報共有がメール
→メールが読まれているのか分からない。
→メールの整理が大変。
→社外と社内の情報がまざる。

外勤社員との連絡は携帯電話
→移動中や客先にいる人と、連絡が取れないことがある。
→通話のみで、資料等の共有にはパソコンを開いてもらう必要がある。

スケジュールはホワイトボードで共有
→オフィスに行かないとスケジュールが分からない。
→違うフロアの人のスケジュールがわからない
→スケジュール変更がすぐに分からない。
→スケジュール調整に時間がかかる。

会社の固定電話の対応
→電話対応のために出社が必要。テレワークできない。

役立つツールと時短術

役立つツール:

  • Teams(ビジネスチャット)
  • Exchange Online(スケジュール共有)
  • クラウドPBX

ポイント:

  • Teamsにより連絡、情報の一斉共有が確実&スピーディーに。
  • メンバーの状況も見える化、検索性もアップ(後から確認したい場合など)。
  • Exchange Onlineでスケジュール共有・調整がリアルタイムに。
  • クラウドPBXで会社の電話を社外でも受発信可能。

浅間商事の「情報共有&コミュニケーション」において、TeamsとExchange Onlineは大きな役割を果たしています。また、昨年導入したクラウドPBXも、固定電話の柔軟な運用を実現させました。

導入前:

浅間商事は現在、首都圏に4拠点あります。各オフィス間が離れているため、異なる拠点間のメンバーが普段オフィスで顔を合わせることは滅多にありません。

また、外勤社員は不在がち、部署もフロアで分かれているため、同じ拠点の社員間でもコミュニケーションが限られているという環境でした。

社内コミュニケーションは対面、電話、メール、もしくはファイルサーバー上のExcelファイルなどが主でした。

対面や電話は同時コミュニケーションの人数に限りがあり、メールは社内と社外の情報が入り混じる、量が多くて整理が大変……といった課題がありました。

社員のスケジュールは、社内ファイルサーバー上のファイルで共有。外出時は閲覧も更新もできないため、入力漏れによる間違いやダブルブッキングといったトラブルもありました。

オフィスの電話は一般的な固定回線。拠点ごとに代表番号を持ち、必要に応じて部門ごとの回線を利用しています。コロナ禍では、電話当番のために出社が必要という状況でした。

導入後:

社内のコミュニケーションをTeamsにほぼ一元化。

対面や電話と異なり、情報の一斉共有が確実・スピーディーになりました。異なる拠点にも一斉に送信できるだけでなく、スタンプやコメントを使うことで閲覧確認も迅速にできるようになりました。

情報をテキストで残すことで、検索して後から情報を探すことも容易になりました。社内専用のため、メールのようにお客さまとのやり取りと混ざることもありません。

Exchange Onlineではスケジュール共有を活用。各自のスケジュールがリアルタイムで閲覧・更新できるため、電話やメールで再調整するといった手間、ダブルブッキングなどのトラブルが格段に減りました。

オフィスの固定電話は、一部にクラウドPBXを導入しています。クラウド化により、社外でも会社の固定電話の受発信が可能になりました。オフィスのデスクに縛られることがなくなり、テレワークはもちろん、BCP対策としても有効です。機能も豊富なため、今後活用の幅を広げる予定です。

アンケート回答の抜粋

  • 電話は、相手の都合(でられない→折り返してもでない)。電車や車移動中は出られない、記録に残らないので言った言わないになりがち、ですが、Teamsでは、伝えたい時に即伝えられる、どこでもちょっとの合間があれば確認ができる。
  • 業務上、複数の人に連絡することが多いのですが、Teamsであれば伝達ミスが少なくなり、かつ伝える時間も短くなりました。
  • Teamsは、支店をまたぐ内容も簡単に一斉連絡できる。
  • TeamsやExchange Onlineのスケジュール機能で、メンバーの状況をリアルタイムに確認できます。
  • スケジュールも一元化できる。
  • クラウドPBXの導入で、テレワークでも電話の取り分けが可能になり、重なった電話の取りこぼしも減った。

課題2:ペーパーレス&ハンコレス

承認(イメージ)

課題

紙の書類は保存管理が必要
→ファイリング作業、保管場所や管理が必要。
→場所を取る、廃棄のルールや廃棄自体に手間がかかる。
→紙による情報漏えいの危険性も。

書類の承認に押印が必要
→承認者との調整に時間がかかる。
→いつ押印がもらえるかわからない。
→外出やテレワークが増えると押印が数日後になることも。

役立つツールと時短術

役立つツール:

  • SharePoint(クラウドストレージ)
  • Teams(ビジネスチャット)
  • 人事系などのクラウドツール
  • スマートフォン

ポイント:

  • Teamsやクラウド勤怠管理ツールにより、稟議や勤怠などの申請・承認がペーパーレス&ハンコレス化。
  • 紙の出力と押印が不要になり、オフィスへの移動や上司との調整の時間が短縮され、よりスピーディーに。
  • CRMのクラウド化により見積もりもPDFで完結。
  • デジタル化により、保存も楽になり後から探す検索性もアップ。
  • 紙の管理も不要になり、保管場所や管理の手間の省力化、紙からの情報漏えい対策にも。

浅間商事では、Microsoft 365の導入とともに「ペーパーレス&ハンコレス」が急速に進みました。

さらにコロナ禍で、テレワークの浸透とともに人事系のクラウドツールを導入し、管理系でも紙+押印の文化から脱却しつつあります。

導入前:

日常的に、多くの紙が短期間で廃棄されていました。

お客さまへの提案書類はすべて紙で出力、社内の会議資料もすべて印刷し、会議後に廃棄。また、外出前に社内のスケジュール表を印刷して持ち歩くといったこともありました。

書類の保管・管理にも、課題がありました。管理するチームには大きなキャビネットがあり、さらに書庫もあります。しかし場所に限りがあり、定期的な確認と処分に大きな労力が割かれていました。

そして、さまざまな社内の申請が、「紙+押印」文化でした。

書類はExcelやWordなどデータなのにもかかわらず、それを紙で出力し、押印をもらうというプロセスが残っていました。押印は、承認者とのスケジュール調整が必要です。承認の遅れにより、業務も遅延することもありました。

導入後:

SharePoint(クラウドストレージ)の導入により、業務にかかわる多くの書類が、紙に出力されることなくデータのまま利用されるようになりました。

クラウドストレージであれば、お客さま先など社外でも、ノートパソコンやスマートフォンから社内のデータを表示・閲覧できます。紙への出力が必須ではなくなりました。

WordやExcelといったファイルの同時編集も可能になり、会議資料は参加者が同じファイルを開き、必要に応じで同時編集することで、紙よりスピーディーに進行するようになりました。

Teams(ビジネスチャット)は「押印」を大幅に削減しました。

現在はチャットで申請(必要に応じてデータの申請書類を添付)、承認コメントにより承認という形をとっています。チャットでは、いつ、誰が、何を申請/承認した、といった情報も正確に残ります。

多くの社内の承認プロセスをTeamsで完結させるルールに変更し、承認が迅速になりました。

コロナ禍で、さらにペーパーレス&ハンコレスを進めたのが人事系クラウドツールでした。

それまで、勤怠管理および給与明細の発行は紙で行われていましたが、社員の出社削減に伴い、紙のやり取りや押印に時間がかかるようになり、クラウド化されました。

現在は勤怠の記録・報告・承認・管理はすべてクラウド上。給与明細や源泉徴収票もクラウド化され、全社員PDFで受け取っています。これらのプロセスでも、紙と押印は廃止されました。

ペーパーレスは、東京本社の一部フリーアドレス化にも役立っています。フリーアドレス化の際は固定席と個人キャビネットが廃止になり、個人ロッカー1つの貸与のみになりましたが、個人が管理する紙の書類も減っていたため大きな混乱はありませんでした。

浅間商事の場合、スマートフォンを全社員に貸与している点も時短に大きく貢献しています。

スマートフォン+アプリの利用により、データの閲覧、承認といったことがいつでもどこでも可能になっています。従来通話のみが目的だったスマートフォンも、ツールのクラウド化に伴い、業務プロセスの高速化に欠かせない機器となりました。

アンケート回答の抜粋

  • Teamsにより、あらゆる書類の出力、押印が無くなった。
  • 事務所以外からも稟議を上げることが可能になり、回答までのスピードが早くなった。
  • 勤怠管理ツールにより、(勤怠報告の)紙出力の手間が減った。
  • 勤怠や給与もクラウドで打刻もボタン1つで確認できるので、外出時間や勤怠時間を入力する手間が無くなった。

課題3:移動・対面レス&テレワーク

対面(イメージ)

課題

社内会議はオフィスで対面実施
→会議の日は出社が必要。
→異なる拠点間では移動や出張が必要。

商談やサポートはすべて訪問
→移動に時間やコストがかかる。
→スケジュール調整が難航すると、サポートが遅れることも。

外出時はネット接続できない
→公共Wi-Fiにはセキュリティ上接続できない。
→外出先で使いたいデータはパソコンにダウンロードが必要。
→クラウド上のデータにアクセスできない。

外出時はメールやFAXの確認ができない
→メールやFAXを確認するために帰社が必要。
→リアルタイムに確認できないため対応も遅れがち。

社内のネットは有線回線
→LANケーブルがある場所でしかネットが使えない。
→会議室でケーブルが足りずにネット接続できない人も。
→電話線やネットなど、床の配線が雑然としている。

役立つツールと時短術

役立つツール:

  • Teams(Web会議)
  • スマートフォン(テザリング)
  • Exchange Online(クラウドメール)
  • FAX転送
  • クラウドPBX
  • Wi-Fi

ポイント:

  • 社内ミーティングはTeams会議で完結。移動・対面が不要に。
  • お客さまサポートも、Teamsなどでリモート対応。
  • スマホ/スマホテザリング+モバイルPCで外出先でも業務可能に。
  • Exchange Onlineでメールの確認が場所問わずできるようになった。
  • FAX転送、固定電話の転送でオフィスへの移動が不要に。
  • 社内のWi-Fiでオフィスのどこでも業務が可能。

浅間商事では以前より、会議、FAX、メール、社内のWi-Fiなどの「移動・対面レス&テレワーク」な業務の運用体制を徐々に整えていました。

これらがコロナ禍を経て、急速に進んだ印象があります。初の緊急事態宣言が出た2020年4月、ほぼ全社員がテレワークの体制に移行。テレワークは現在、社内にほぼ浸透しました。

導入前:

商談やサポート、社内会議などはすべて対面でした。

お客さまとの商談は、場所や移動の時間を考慮するため、スケジュール調整に時間がかかることがありました。

全拠点のマネージャーが集まる社内会議は、遠方の支店社員が出席するために毎月、移動の時間・コストがかかっていました。

外出先での業務にも課題がありました。

ネット接続が必要なパソコン作業はもちろん、メールやFAX、会社の電話などを外出時に確認できないため、これらの作業のためにオフィスに行く(戻る)必要がありました。外出先で業務が終了した場合も、電話やメール対応のために直帰できないことがありました。

また、社内のインターネットが有線環境だったときは、配線が雑然としがちでした。踏んで抜けてしまった、回線が足りない、ネットにつなげる場所が限られている、などの困りごとがありました。

導入後:

リモートサポート、Web会議(主にTeams)の導入により、「移動・対面レス」が大きく前進しました。

現在も商談やサポートの多くは訪問で行っておりますが、リモート対応で解決するトラブルは移動が不要になり、解決のスピードが格段に上がりました。これはお客さまにもお喜びいただいています。

また、商談や社内の会議をWeb会議で行うことにより、スケジュール調整、移動の手間やコストなどが大幅に削減されています。全拠点の会議だけでなく、一部のチームが毎朝行っているミーティングも、外出先や自宅、移動中などでも参加できるようになり、参加率がアップしました。

メールは、外出先からも、スマートフォン+クラウドアプリで確認できるようになりました。FAXは電子化により、PDFをリモートで閲覧できます。電話も、一部の固定電話はコールセンターで一次受けすることで、外勤社員のオフィス立ち寄りや帰社などの頻度が減りました。

社内のWi-Fi化は、配線や回線数の問題を解決し、オフィスのどこからでもネット接続ができるようになりました。本社オフィスの一部はフリーアドレスが実現し、座席を柔軟に使えるようになりました。

そして、これらの施策の結果として、浅間商事ではコロナ禍でのテレワークの導入・浸透もスムーズでした。

現在も出社や訪問、在宅を中心としたテレワークなどを織り交ぜ、それぞれのメリット、デメリットを意見交換しながら、よりよい業務の進め方を常に模索しています。

アンケート回答の抜粋

  • 問い合わせ、通報をリモート対応により効率化。
  • Teamsのデータ共有やWeb会議により、会社に行く回数や外で人に会う回数が減った。
  • 毎朝のMTGがTeamsで完結。
  • スマートフォンのテザリング:外出先でPCのネット接続が可能に。事務所戻りがなくなる。
  • どこにいてもメールチェック、どこにいても事務所と変わらない仕事ができる。
  • 固定電話を転送できるので、事務所にだれか必ずいなければならない時間が減った。
  • 在宅勤務時にFAX送信ができて、非常に便利になりました。
  • VPN接続することで、外出先からでも社内のプリンターにアクセスしFAXや出力ができるようになった。出力やFAXのために事務所へ戻る時間の短縮、社内にいる人に依頼しその人の業務を止めてしまう事が少なくなった。
  • 社内のどこにいても作業ができるようになった。

課題4:データ保存・共有

クラウド(イメージ)

課題

共有ファイルの保存・管理はファイルサーバーを利用
→ファイルサーバーの管理が手間、コストがかかる、技術者が必要。
→社内からしかアクセスできない/VPN接続が必要。

パソコンのバックアップは外付けHDDを利用
→HDDの保存・管理が必要。
→故障や紛失によってデータ損失の恐れ。

パソコンの入れ替え時にデータ移行が大変
→パソコンやHDDなどに保存しているデータの移動が大変。
→データ量が多いほど時間がかかり、失敗するとデータを損失する恐れ。

ファイルの履歴管理が大変
→更新が多いファイルはバージョンごとに保存。
→誰がいつ何を更新したかわからなくなることがある。
→保存し忘れることがある。

役立つツールと時短術

役立つツール:

  • SharePoint/OneDrive(クラウドストレージ)

ポイント:

  • OneDrive/SharePointでデータ保存&共有。異なる端末からも保存、編集、共有が可能。
  • スマホ+アプリでPCを開かずともできる作業範囲が拡大。

浅間商事では、Microsoft 365の導入と同時に、「データ保存・共有」において、クラウドストレージへの移行が進みました。

導入前:

もともと社内データの保存・共有にファイルサーバーを利用。当社は社内に技術者がおり、自社ビルでラックやサーバールームなどの設備もあったため、ファイルサーバーを長く利用していました。

しかし、社外からデータにアクセスするためにはVPN接続が必要でした。

また、ファイルサーバー上のWordやExcelは共同編集ができないため、共有ファイルを誰かが編集していると使えずに業務が止まっていました。さらに、共有ファイルの履歴管理には、保存のタイミングやファイル名の付け方などルールの統一が必要なため、大人数で共有するファイルは運用がスムーズにいきませんでした。

導入後:

SharePoint導入後、徐々に共有ファイルをクラウド上に移行しています。

データはクラウド上にあるため、インターネットと端末があれば、いつでもどこからでもデータにアクセスできるようになりました。(アクセス権管理、二段階認証、ログの取得など、セキュリティの強化も同時に行っています。)

スマートフォンからも閲覧できるため、社内データの確認のために帰社したり、パソコンを開いてネットをつないだりする必要もなくなりました。

クラウドストレージは物理的なサーバーの管理も不要なため、管理の手間とコストの削減だけでなく、BCP対策にもなっています。

さらに、WordやExcelなどのOfficeファイルの共同編集・履歴管理も可能になりました。他の人がファイルを開いていても、同時に編集することが可能になり、待たされることがなくなりました。

SharePoint上であれば、ファイルの履歴管理を自動設定できます。誤操作などによるバックデートはもちろん、いつ、誰がどのような編集を加えたかの履歴の確認もできるようになりました。

OneDriveは、個人用ファイルの管理、バックアップに活用しています。

SharePointと同様に、異なる端末からの閲覧ができるため、外出先でスマホから自分のパソコンのデータ(同期したデータ)を確認できます。

また、同期によるバックアップの取得が可能です。個人ファイルのバックアップだけでなく、パソコン入れ替え時のデータ移行は外付けHDDなどを媒介せずすむため、大変スピーディーになりました。パソコンが突然壊れても、クラウド上にバックアップがあるため、数時間で復旧できたケースもあります。

今後、ファイルサーバーは廃止が予定されています。

アンケート回答の抜粋

  • データがクラウド上にあるため、テザリングを用いて外出先でも入力ができるようになった。
  • システム設計書などを、スマホから確認できる。
  • SharePoint&OneDrive:ネットがあればどのデバイスからでもデータ編集できる。
  • iPhoneでOneDriveに書類を転送できるため、PCでの整理作業が減った。

残業を削減したいお客さまへのアドバイス

以上、4つの課題にそった当社の時短術のご紹介でした。

最後に、アンケートから「残業を削減したいお客さまへのアドバイス」を抜粋してご紹介いたします。

まず、当社は特にMicrosoft 365を活用しているため、実務でのMicrosoft 365活用に関するコメントが多く寄せられました。

Microsoft 365活用に関するコメント

  • Teamsの活用で、承認の流れがスムーズになり、依頼から承認、発注までが書面と比べて短縮できる。
  • Exchange Onlineはデバイスを問わずメールチェックができるので、どのデバイスで送受信したか探す手間が省ける。移動や確認の時間も短縮できるため、業務に集中する時間が増える。
  • Exchange Onlineなら外出先でもスマホでメールの確認と対応が可能。
  • SharePointの活用で、場所に縛られずに事務作業が行える。
  • 全員が編集するファイルはSharePointで同時編集。
  • 削減できる部分は削減して、少しでも効率よく仕事を進めていくにはMicrosoft 365(特にExchange OnlineとTeams)をおすすめします!

スマートフォン、クラウド勤怠ツールに関するコメントもありました。

その他のツールに関するコメント

  • スマートフォン(テザリング)の活用で、残業が削減されました。
  • クラウド勤怠により打刻のための帰社が不要。
  • まずは、外出中でもパソコン作業で社内データにアクセスできる環境づくり。少なくとも事務作業はどこにいてもできるようにすれば、会社に戻らず、残業も減ると思います。

まとめ

今回は、浅間商事の「デジタル活用による時短術」をご紹介しました。

浅間商事は2021年、就業時間を30分短縮。

この就業時間短縮による、会社全体の残業時間の大幅な増加は見られていません。背景の一つに、社員一人ひとりの、デジタル化、クラウド化、各種IT機器やサービスの活用による「時短術」が貢献していると考えております。

本記事の執筆にあたり、社内で「時短術」に関するアンケートを実施しました。

アンケートから見えてきた3つのキーワードが「デジタル化」、「クラウド」、「モバイル」。このキーワードを元に、時短実現のために解決できる課題を次の4つにまとめました。

  1. 情報共有&コミュニケーション
  2. ペーパーレス&ハンコレス
  3. 移動・対面レス&テレワーク
  4. データ保存・共有

各課題にそって、当社で実際に時短に役立った機器やサービスを、自社事例をまじえながらご紹介しました。

今回のアンケートでは、「就業時間変更後も終了時間は変わらず、多忙なまま」という回答もありました。機器やツールで、全社員一斉かつ劇的に時短を実現させるのは困難であることが、伝わる回答でした。

浅間商事でも試行錯誤は続いています。

ただ、少しずつでも、デジタル化、クラウド化、モバイル、といった新しいテクノロジーを取り入れることで、いずれそれが自社の業務の進め方となり、全社的に前に進んでいく原動力となっていることは実感しております。

浅間商事では中小企業の皆さまの時短、そしてそこからつながる働き方改革を、デジタルの側面からサポートさせていただきたく思います。

本記事に登場する事例をはじめ、さまざまな自社事例を実際にご覧いただけるオフィスツアー(上野本社)も実施しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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