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浅間商事代表の柳沢です。
勉強のために経営・ビジネス書を読みたいけど、まずはなにを読んだらいいのか分からないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、日ごろから経営・ビジネス書からヒントを取り入れている私の目線で「中小企業でリーダーを目指す皆さまにおすすめのビジネス本」を3冊ご紹介します。
『ビジョナリー・カンパニーZERO』
『ビジョナリー・カンパニーZERO』
著者名:ジム・コリンズ、ビル・ラジアー(著)/土方奈美(訳)
発行:日経BP(2021年)
世界で1000万部を超えるベストセラーとなった『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの原点であり、日本における最新刊である本書。グロービズ経営大学院などが主催する「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にも選出されています。
総評
ベンチャー企業や中小企業に必要な経営・マネジメント・リーダーシップについて書かれた本です。
シルバーの表紙からはギラギラしたイメージもありますが、意外にも心がポカポカする内容も多いです。よいメンターと対話している気持ちになります。
少し読むだけですぐに仕事で実践したくなるので、なかなか最後まで読み進むことができないほどの名著。本書を参考に書かれた経営・ビジネス書も多いので、いろいろな経営本10~20冊分の価値があると思っています。
心にささったフレーズ
勇気とは恐れを感じないことではなく、恐れを感じながらも行動する能力だ、と言われる。 (Kindle版 No.674-675)
具体的で鮮明な絵を描こう。たとえばジロスポーツのジム・ジェンテスは、偉大な企業になるという目標をこんな言葉で表現した。
世界の一流ライダーがこぞって、世界トップクラスの大会でジロの製品を使うようになる。ツール・ド・フランスやワールド・チャンピオンシップの優勝者、オリンピックの金メダリストはみな、ジロのヘルメットをかぶって勝利を手にする。会社にはお客様から「ジロが存在していてよかった。ジロのヘルメットのおかげで命を救われた」といった感謝の電話や手紙が舞い込む。社員はジロをこれまで働いたなかで最高の職場だと思う。サイクリング業界で最高の会社を聞かれれば、たいていの人はジロと答える。(Kindle版 No.3112-3117)
ご参考
GLOBIS知見録「核心を突くジム・コリンズの名言と先見性~『ビジョナリー・カンパニーZERO』が読まれる理由を探る~」
本著を翻訳した土方奈美氏、担当編集者の中川ヒロミ氏の対談が読めます。
グロービズ経営大学院「ビジネス書グランプリ2022 特別セミナー」
こちらも土方氏、中川氏が登壇されます。
『シン・ニホン』
『シン・ニホン』
著者名:安宅 和人
発行:NewsPicksパブリッシング(2020年)
多くの支持を集めた『イシューからはじめよ』から10年を経て、AI×データ時代における日本のあり方について書かれた本書は、各界の著名人から絶賛されています。
「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にて総合グランプリ、「ビジネス書大賞2020」で特別賞(ソーシャルデザイン部門)など、数多く受賞する名著です。
総評
これからのデジタル化時代、日本という国や日本人が進むべき道について考えさせられる一冊です。
2020年2月の刊行以来、いま国内で動いている改革の多くがこの本の影響を受けていると思います。浅間商事の事業も、シン・ニホンを創るための役に立つと再確認できました。
当社の経営会議でも一時期、シン・○○などの言葉が流行りました(笑)
本書からの学び
「国富を生み出すのはハードワークではなく妄想力(=想像力、クリエイティビティ)の時代である」
これからの時代は「自分とその周りの経験だけから学び、AIやデータの力を使わない人」 VS 「手に入る限りのあらゆるデータからコンピューティングパワーを利用して学び、その力を活用する人」
=「勘・経験・根性の3K」 VS 「データドリブン・データ活用」
学びなおし・リスキリングの重要性=「現代の基礎教養としてのデータリテラシー教育」+「ICTエンジニアの再教育」+「ミドル・マネジメント層の再教育」
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』
著者名:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット(著)/池村 千秋(訳)
発行:東洋経済新報社(2016年)
誰もが100年生きうる時代に、どのように生き方や働き方を変えていくべきかを論じた本書。
刊行当時の流行語大賞にもノミネートされた「人生100年時代」など数々の名言を生み出すなど、日本のみならず、世界で大反響を呼んだ一冊です。
総評
人生100年時代のいま、そのうち労働を占める時間はおよそ40年。それに対して、ビジネスモデルの平均寿命は2~30年です。本書を通じて、生涯学び続ける必要性がわかります。
私自身の生き方・はたらき方・学び方を見直すとともに、共にはたらく仲間にもこれらを見直す機会を創ってほしい、生涯学び続けられる仕組みを浅間商事にも創りたいと感じました。
心にささったフレーズ
人生が短かった時代は「教育→仕事→引退」という古い3ステージの生き方で問題なかった。しかし、寿命が延びれば、二番目の「仕事」のステージが長くなる。引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになるのである。 (Kindle版 p.6)
有形の金銭的資産と同じくらい、無形の資産も重要だということは、誰もが納得できるだろう。(Kindle版 p.126)
より効率的にビジネス書から学ぶには
今回は『ビジョナリー・カンパニーZERO』、『シン・ニホン』、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の3冊をご紹介しました。
幾多もある経営・ビジネス書の中で自分に合った本に出合うには、「いま抱えている課題を解決してくれるもの」という視点で選んでみるのがおすすめです。
さらに、同じ分野で2~3名の異なる著者の本を読んでみると、視野が広がります。
また、忙しい毎日の中ですべてのページを読み込むのはなかなか難しいもの。まずは目次に目を通し、いまの自分に必要な部分だけを読んでみるのも良いと思います。
効率的にヒントを取り入れていきましょう!
浅間商事は中小企業のITアドバイザーです。「中小企業のはたらき方を効率的で安心なものとする」というビジョンの実現を目指し、代表をはじめとした全メンバーで常に学び続け、コツコツと着実に世界が憧れるシン・ニホンを創っていきたいと思います。