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浅間商事代表の柳沢です。
トヨタ・日立・キヤノンなどをはじめとする大企業が、世の中のデジタル化に対応するために「リスキリング」や「学びなおし」などの言葉を用いて社員のデジタル教育を進めています。
世の中には数多くのIT関連資格がありますが、中小企業に役立つIT資格にはどのようなものがあるのか自社事例も交えながらご紹介しますので、皆様の会社のスキルアップにお役立てください。
今回は初心者向けの資格になります。
なお、YouTubeに動画版を掲載しております。ぜひあわせてご覧ください。
なぜ中小企業で資格取得が必要なのか?
成果
第一に仕事の成果が高まるからです。
資格取得を通して効率的に学習することで、社員一人当たりの生産性が高まります。
日本企業は他国と比べて工場設備やIT機器などには投資しますが、人材教育に投資していないと言われています。資格取得には受験料や参考書などの費用が1万円程度かかりますが、1万円の投資で今後毎月の生産性が上がるのであれば非常に効率の良い投資ではないかと考えています。
採用
最近の働く人たちは就社ではなく、就職、食べていけるスキルを身に着けたいと考えています。そのため、会社に入ったらスキルアップができるかどうかを重視しています。資格取得を会社が支援していることをホームページや採用資料などでアピールすることは採用に有利になります。
社員満足・定着・離職防止
資格を学習することで、今までできなかったことができるようになり、話せなかったことが話せるようになります。
浅間商事でも積極的に学習するメンバーからは、新しいことを知ることができて楽しい、お客様や取引先に未来を語れるようになった、社内外の人の相談に乗れて、役に立てることが嬉しいという声が寄せられます。
これは社員満足向上や定着、離職を減らすことにもつながっていると感じています。
逆に、採用面接で転職者の話を聞いていると、自分のスキルアップができず、周りの社員も学習している様子がなく、このままでは食べていくためのスキルが身につかないと思い転職活動を始めたという方が多いです。
中小企業に役立つIT関連資格
民間資格
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
知名度の高い資格です。Word、Excel、PowerPointといった日々の業務で使うOfficeアプリの効率的な操作を学べるため、費用対効果の高い資格です。特にExcelエキスパートはフィルター、マクロ、ピボットテーブルなどが使えるようになるため、作業効率が大きく上がりお勧めです。
インターネット検定 ドットコムマスター
NTTコミュニケーションズが提供している資格です。インターネットの仕組みについて広く学ぶことができます。特にベーシックは受験費用も手ごろで、パソコンからいつでも受験できますので、IT初心者にお勧めです。フィッシングサイトやメール、SNS利用の注意点など身近なセキュリティ対策についても学ぶことができます。
中級以上のIT担当者はアドバンスの学習がおすすめです。
国家資格
ITパスポート
知名度の高い資格です。こちらはすべての社会人に求められるレベルのIT資格で大学生や新社会人が取得することの多い資格です。国家資格のため良い内容がまとまっていますが、難易度は低めです。
情報セキュリティマネジメント
ITパスポートを取得した後におすすめなのがこちらの資格です。こちらもIT利用者向けに作られていますので難易度はそこまで高くありません。私も取得しましたが、日々のセキュリティ対策に役立つ内容が多く、非常に実践的だと感じました。
取得を促すための方法は?学習する組織の創り方
目的を伝える(WHY:なぜやるの?)
資格なんて必要ない、学習なんて必要ないという声も多いと思います。その場合、まずは学習する目的を明確にして伝えましょう。
時流が変わっている→社員やお客様のために会社をこのようにしたい→それに対しての現状→目的達成のためには社員のスキルアップが必要だ、というようなストーリーを創ると伝わりやすいと思います。
体制を整える(CAN:できそうだ)
次に、個人任せにするのではなく会社としてもできるだけ支援することが必要です。
資格取得が進まない会社さんの話を聞くと、費用は自腹、勤務時間中の学習は禁止という状態だったりします。確かに、上記のような資格は個人に帰属するもので会社に帰属するものではないため気持ちもわかるのですが、可能な範囲で支援する体制を創ると学習が進みます。
また、数千円から1万円の受験料負担は社員にとって小さい額ではありません。
会社として本気でスキルアップを目指すのであれば、合格時の費用は会社負担、特に重要な資格を取得できた場合は追加で一時金を支給する制度を整えてもよいかと思います。
学習時間については、資格の重要度にもよりますが、業務に直結する内容であれば勤務時間中に学習してもらうのもよいでしょう。
資格取得後にはより効率よく仕事をしてもらい、資格を活かした成果を上げてもらいましょう。
さらに、社内での情報共有も重要です。複数の社員が同じ資格取得を目指す場合には参考書や問題集を共有したり、社員同士で学習会を行ったりするのも効果的です。
成果を見える化・共有する(WILL:やりたい)
最後に、合格した場合はもちろんですが、合格した人が学んだスキルを活かして仕事で成果を出した時には、しっかり賞賛して、本人だけでなく全社員に共有しましょう。
それにより本人だけでなく他の社員もスキルアップする意義を再確認でき、良いサイクルが回り出します。
浅間商事の場合
私たち浅間商事も、上記のような施策を行ってきました。
浅間商事には「首都圏最高のIT商社になって中小企業のはたらき方を効率的で安心なものとする」という目標があります。
そのためには、全社員が日々最新のスキルを学習する必要があります。私たちの業態の場合、最新のロボットや機械を入れれば生産性が大幅に上がるということはありませんので、日々地道に学習し続けることで生産性を上げることが遠回りのようで近道です。
最近、学習や資格取得に熱心な新メンバーが入社してくれました。そのメンバーから刺激を受けて50代後半のベテランメンバーがクラウド関連の資格に合格したり、複合機のメンテナンス担当者がマイクロソフトの資格やヤマハのネットワーク資格に合格したり、といったことが自発的に起きています。
各メーカーさんの学習会はもちろん、社員同士の学習会も毎月のように行われるようになりました。
先日も「メンタルヘルスマネジメント検定が会社に有益だからぜひ支援資格に追加して欲しい」という社員からの声があり採用しました。良いサイクルが回り出していると感じています。
今回のブログが、1社でも多くの中小企業が「学習する組織」になるための一助となれば幸いです。
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